学生時代は部活一筋で頑張っていた、という人ほど運動に対してネガティブなイメージを持っているケースがあります。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。一つは、過去の自分と現在の自分を比較してしまうことです。当然ながら、そういう人は学生時代にピークを経験していますので「昔はできたんだけどな」「学生時代は痩せてたんだけどな」と感じやすくなります。どちらかと言うと、プラスの状態からマイナスの状態に進むイメージなので、その差に落胆してしまうわけです。

あるいは、厳しい指導の元で運動をしてきた経験から「運動 → ストイックさが求められる」という構図が脳内に出来上がってしまっているため、どうしても腰が重くなってしまうのです。

例えば、僕がランニングに誘っても「昔、たくさん走ったからいいです」「走るのは楽しくないから結構です」のように拒絶反応を示す人もいます。どうしても、昔の嫌な思い出が記憶として残ってしまっているのでしょう。

一方、学生時代は帰宅部で、運動とは疎遠な生活を送ってきたという人ほど、劇的な変化を遂げるケースがあります。

「待て待て、そういう人こそ運動に対してネガティブなのでは?」と考えるのが普通ですよね。確かに初期の段階では不安な気持ちを抱えている人がほとんどです。そもそも、パーソナルトレーニングという選択肢に至ったのも、集団で運動することに抵抗があったり、ジムに行ってもなにをしたら良いのかわからない状態になってしまうことが理由の一つでしょうから。

ただ、裏を返してみれば、そういう人は元がゼロあるいはマイナスな状態なわけですから、運動をすればするほどプラスにしかならないということです。体力がつく、バランス感覚が伸びる、体が引き締まるなど、今までの人生で経験しなかったポジティブな反応が体内で起こるわけですから、そこに喜びを見出すことができます。

さらに、アルバイトと同じで、運動未経験の人のほうが変な癖が身についていないので、さまざまな面でフレッシュで、吸収が早く、上達が早いんですね。

なので、運動経験がないというコンプレックスは、実はコンプレックスではないのです。そもそも、コンプレックスというのは視点や発想を変えれば「強み」にすることができるわけなので、運動経験がないことは恥ずべきことでもなんでもないのです。

もちろん初めは覚えることが多いので大変でしょう。筋肉の名前やその働き、筋トレのフォーム、器具の扱い方、栄養の摂取、休養の取り方など、すべてが初めてのことだと思います。ただ、それもすべてプラスに捉えてください。知らないことを知ることは楽しいことですし、知識というのはあなたが生涯にわたって健康な体を維持していくための道具となります。

運動が苦手とか体力がないとか、そうしたネガティブなイメージを持つのではなく「運動をしたことがないから伸び代しかない」「運動をしていないから体力が余っている」というポジティブなイメージを持ってみることです。

むしろ、過去のことなんか一度すべてなかったことにして、生まれたての赤ちゃんのように、これから成長していく自分の姿だけを想像すればいいのです。

世の中には2種類の人間がいる。コンプレックスをコンプレックスのままにして人生を終える人と、コンプレックスを強みに変えて人生を謳歌する人である。