ご存知の方も多いかと思いますが、先月より、10年続けた「BEAUTY & STRENGTH」の看板を下ろし、今後は 『ASANO』という、僕の名前を看板として活動していくことに決めました。

もちろん、単に名前を変更しただけに止まらず、僕の中では大きな変革であり、一つの決意表明でもあります。

理由は大きく2つあります。

まず、フィットネス業界、あるいはパーソナルトレーニング業界という枠組みから完全に離れ、独立した存在(業態)として活動していきたいからです。パーソナルトレーニングといえば「ダイエット」「ボディメイク」を想像する方がほとんどだと思います。ですが、もう少し広い枠組みで捉えると、アスリートのスポーツパフォーマンス向上のためのパーソナルトレーニングや、骨格や体調を整えるためのコンディショニング系のパーソナルトレーニング。そして、子供や高齢者、妊婦などを対象としたパーソナルトレーニングなどがあり、一括りにパーソナルトレーニングと言っても、様々な形があるのです。

ただ、あくまで僕の中ではそれらは、フィットネス業界、あるいはパーソナルトレーニング業界という括りになっていますので、そうした「業界」から離れて活動したいという想いがあります。というのも、どうしても業界に属したくない、あるいは、業界の中の一人として見られたくない、という僕の我が儘な気持ちがあるのです。

一応は「パーソナルトレーナー」という肩書きを名乗ってはいますが、それは「パーソナルトレーニング」という業界に身を置いているわけではなく、あくまで「1対1で教える」というスタンスであるがためにそう名乗っているだけです。業態・業種ではなく、あくまで「概念」なのです。

そして、室内に籠って指導するだけが、トレーナーの役割ではないということ。時には「檻」から出て、自由な環境、フィールドの中で体を動かすこと必要があるということです。そもそもジムだったり、筋トレだったり、ダイエットだったり、ボディメイクだったり、そうした固定的かつ狭い枠組みに囚われることが好きではないし、あなたにもそうしてほしいのです。

日本人は、良くも悪くも「みんなと同じ」「輪を乱さない」「杭は出すぎない」が尊ばれる文化の元で生きていますので、髪型から服装、化粧、ダイエットまで、なにか一つのことが流行り出すとみんなそれに乗っかろうとする傾向があります。それはそれで良いこともありますが、あまりに行き過ぎると「量産型人間」を生み出すこととなり、せっかくの個性が死んでしまうと思うのです。

正直、僕からすれば「つまらない」「もったいない」と思うわけです。せっかく、あなたがあなたとして生まれれたのだから、あなたらしいあなたを見たいからです。あなたは、素晴らしい個性を持っているはずなのだから、それを「嫌われたくない」とか「変な人に思われたくない」とか、他人の目を気にし過ぎることで台無しにしてほしくないのです。

『絵の具がキャンバスからはみ出ることを恐れないこと。これはもっと大きな意味です。私たちはもっと自由に生きても良いということです』

これは僕が尊敬する人の一人である、作家のエリック・カール氏が遺した言葉です。この言葉がまさに転機となりました。この言葉を聞いたのが、10月の京都のトレイルランニングの大会を間近に控えていた時のこと。60kmという人生最長距離の挑戦を、シューズで走るか、ワラーチで走るか、最後まで悩んでいた時のことです(詳しくはこちらの記事をご覧ください)

結果、完走率65%となった過酷なレースを、ワラーチで無事することができたわけですが、その時「人間には、僕たちがまだ気付いていないとんでもない可能性が眠っている」と、僕の中で確信したわけです。そして、これはあなたも同じなのです。「昔から運動が苦手なんです」「体育の成績だけ悪かったんです」という人ほど驚くほどの成長を見せることがあります。初期状態(フレッシュ)」なので、飲み込みが早く、上達のスピードが早いのです。

だから僕はよくこう伝えるのです。

「あなたは体育の授業は苦手かもしれないけど、運動は苦手じゃないですよ」と。そうすると、僕でも信じられないほどのスピードで成長していくのです。

僕は、先入観や固定観念、並列的な思考、常識と言われている概念など、そういうものが苦手なのです。なぜなら、せっかくこの広い世界に生きているわけですから、色々やってみたら?と思うからです。みんながやってるとか、こうじゃなきゃダメとか、そうした閉鎖的な世界ではなく、もっと自由に、好きな形で、そして、のんびり運動したらいいじゃないと思うわけです。

そして、活動名を変えた、もう一つの理由は 「自分の名前を背負うことに意義があるから」です。

10年前、どのような店名(屋号)にしようか熟考した結果「BEAUTY & STRENGTH」に決めました。元々の由来は、BEAUTY(女性らしい美しさ)とSTRENGTH(心の軸を保つこと)から来ています。そのコンセプトは今後も大切にしていく予定ではあります。

しかし、一番良いのは「自分の名前」だと言うことに気付いたのです。「浅野」という名前こそがブランドであり、そこに「意味」を持たせたかったのです。

というのも、もしあなたがパーソナルトレーニングに通うとしたら、「近所だから」「安いから」「オシャレだから」といった基準だけで、トレーナーを選んでほしくないからです。日本食料理店の「割烹 〇〇」「てんぷら 〇〇」のように、「この人が作っているお店だから」という理由で、きちんと中にいる「人」や「サービス」で選んでほしいですし、そうあるべきだと思うのです。

そうでなければ、僕のように”超”ひねくれ者とは相性が合わないと思うのです。これが、主にマシンを相手にするフィットネスジムであればまた話は変わってきます。ですが、パーソナルトレーニングというのは、あくまで「人と人」というサービス構造ですので、このトレーナーなら信用できる、考え方が尊敬できる、わたしの体を安心して委ねられる、という基準で選ぶべきだと思うのです。

僕は、昔から職人気質(?)な面があるので「うちはずっとこの味でやってる」という頑固な考えがあります。なので、流行りのようなものには興味が湧きませんし、流されることもありません。もちろん、これからもそうです。もし、他にも同じようなサービスを提供している場所があるのであれば、言ってしまえば「僕は必要ない」のです。僕にしかできない、唯一無二のサービスを提供していることに意味があるのです。

商売の本質は「自分が欲しいものを売ること」だと考えています。「え、お客様が求めるもの売ることじゃないの?」という考えが普通なのでしょうが、僕の場合は真逆になります。これはラーメン屋もそうだと思います。「うちのスープが一番に決まってる」「チャーシューならどこにも負けねぇ」という誇りを持っていると思うのです。仮に自分のお店の味をそこまで好きでもない店員がつくるラーメンって、こちらも食べたいと思わないんです。料理というのは味も大切ですが、それ以前に、店主の誇りだったり、想いだったり、情熱があるからこそ「ハマる」ものだと思うのです。

僕も「自分の味」には誇りを持っていますので、もし自分が女性だったら「こういうカラダになりたい」という意識を持って仕事をしています。万人ウケする商売ではなく、自分の求める価値観に共鳴した「一部の人」にだけ理解してもらえれば、それで結構なのです。

以上が、僕の活動名を変更した理由になります。

初見の方からするとかなりの”ひねくれ者”に映ると思いますが、逆に言えば、世間の抵抗を喰らい、時には批判を受けつつも、それでもひねくれ続けなければ本当に良いものは生み出せないと考えています。ただ「女性を美しくすること」「才能を引き出すこと」「体の可能性を目醒めさせること」に関しては一途ですので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

ひねくれ続けない限り、本当にいいものは生まれない。