体重は普通なのに、なぜか太って見える。

前回こちらの記事で「BMIは標準なのに肥満判定になることがある」というお話をしました。

実は、欧米人に比べて、日本人は「肥満」の割合はそこまで多くありません。しかし、その代わりに「隠れ肥満」の割合は多くなります。

今回は日本人女性に多い隠れ肥満の原因と解決法についてお話しします。

隠れ肥満ってなに?

上の写真のように、同じ体重でも体脂肪率の違いによって、太っても痩せても見えるのです。

日本人女性に特に多いのが「隠れ肥満」です。隠れ肥満とは「体重は普通なのに、体脂肪率が高い状態」のことを言います。

見た目はそこまで太って見えないけれど、二の腕や太ももに締まりがなく、お腹も少しポチャっとしているような感じです。英語では「Skinny Fat」と呼ばれます。スキニー(細い)のに、ファット(太っている)だからです。

普通の体重ってどのくらいなの?

では、普通の体重とはどのくらいなのでしょうか。これは、前々回から解説している「BMI(体格指数)」で表すことができます。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

BMI18.5 ~ 24.9の間であれば「標準」になります。例えば、身長156cmの人の場合、次のようになります。

【BMI18.5】1.56(m) x 1.56(m) x 18.5 = 45.0kg
【BMI24.9】1.56(m) x 1.56(m) x 24.9 = 60.6kg

なので、体重が45.0 ~ 60.6kgの間にあれば普通の体重と言えます。まずはこの範囲に収まっていることが前提です。

隠れ肥満は体重は普通。でも体脂肪率が高い。

ほとんどの女性は「体重だけ減ればいい」と考えがちですが、それでは引き締まった体にはなりません。

上の写真を見ていただとわかりますが、体重とBMIは「標準」ですが、体脂肪率が「高」のゾーンにあることがわかります。

典型的な隠れ肥満のパターンになりますが、決して珍しい例ではなく、僕のジムにお越しいただくお客様の9割型がこのパターンにあてはまります。

なので、体重だけを減らしても引き締まった体にはならないのです。

隠れ肥満の原因と解決法

では、なぜ隠れ肥満になってしまうのでしょうか。原因は主に3つあります。

運動不足(筋肉量が少ない)

まずは、運動不足によって筋肉量が少ないことです。上の写真を見ていただくとわかりますが、筋肉量が少ないことがわかります。

体脂肪量が「高」のゾーンにあることもそうですが、それ以上に、筋肉量が少ないことにより体脂肪率が上がってしまうのです。右の青枠「栄養評価」を見ていただくと、タンパク質量が「不足」となっています。これは普段の食生活において、筋肉の材料となる「タンパク質」が不足している可能性があることを表しています。

いずれの場合も、筋肉が不足することによって、相対的に体脂肪率が上がるので隠れ肥満体型になりやすいのです。

解決法

まずは、運動習慣をつけること。よく歩く、階段を使う、こまめに動く、といった日常生活の中でできるだけ体を動かすことからはじめましょう。それだけでも立派な運動です。

そして、自宅でできる軽めの筋トレもしてください。この時に「見積もりを高く設定し過ぎないこと」がポイントです。というのも、筋肉を増やすのはそう簡単ではないからです。どんなに頑張っても、目に見える変化が現れるまでは数ヶ月がかかります。

今あなたの筋力レベルが-5だとしましょう。その時、10や20を目指すのではなく、まずは「0」を目指すことです。それだけでも充分綺麗になりますので、あせらずに頑張りましょう。

アンバランスな食生活

運動不足だけでなく、食生活がアンバランスだと隠れ肥満になりやすくなります。

特に、朝食と夕食の内容に問題があるケースが多いです。例えば、朝食は食べない、あるいはパンとコーヒーだけになってしまう。そして、夕食は炭水化物は一切摂らないというケースが結構見られます。

一般的な肥満はカロリーオーバーが原因ですが、隠れ肥満はアンバランスな食事が原因となります。

解決法

基本の5大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)をバランスよく摂りましょう。

なにを食べたらいいか悩んだ時は、基本に忠実にいることです。特に意識してほしいのが、毎回の食事に炭水化物とタンパク質を必ず含めること。

朝食はパンとコーヒーでも構いませんが、卵やヨーグルト、ウインナーなどのタンパク質がメインの食材をプラスしてください。

昼食が麺類の場合は、蕎麦やうどんには肉や卵をトッピングする、ラーメンにはチャーシューや卵をつけるようにする。多少カロリーが増えても構わないので、バランス優先で考えましょう。

夕食は、できるだけ肉や魚を食べるようにします。そして、白米でも麺でも構いませんので、炭水化物メインの食材を必ず食べましょう。もしかしたら、あなたは夕食の炭水化物を敬遠するかもしれません。しかし、それで太ることないので安心してください。あなたが気にするべきなのは、太ることよりも、まずは筋肉を減らさないことなのです。

食事の回数は「朝、昼、夕」の3回が理想です。しかし、仕事のスケジュールによっては難しい場合もあるでしょう。その場合は2回でも構いません。夜遅くなってしまった時も、少しは食べてから寝たほうがいいでしょう。どんなに夜遅くに食べたとしても1日の摂取カロリーが不足していれば太ることはありません。

どうしても朝起きられない、または食欲がないという場合、プロテインを1杯飲むだけでも構いません。ヨーグルト1個でも大丈夫です。なにかしらは口にしましょう。

食事は運動と同じくらい大切ですが、あまりストイックになりすぎるとルール違反した時に罪悪感を抱きやすくなります。なので、あまり深刻に考え過ぎず「まぁいいか」くらいの気持ちで考えてください。

プチダイエット

プチダイエットとは「短期間で繰り返しおこなう極端なダイエット」のことです。

若い女性に多く、プチダイエットを繰り返すと、年齢を重ねた時に太りやすくなってしまうのです。

長くなってしまうので、詳しくはまた別の機会にお話ししたいと思います。

解決法

一時的に食べ過ぎてしまっても、まずは落ち着くことです。短期間で増えた体重は体脂肪の影響によるものではないので、まずは冷静になることが何よりも大切です。

例えば「正月太り」という言葉があります。しかし、実際は、お正月のような短い期間で太ることはありません。たしかに「体重」は増えるかもしれませんが、それはあくまで「水分」が増えたことによるもの。多少なりとも脂肪も増えているかもしれませんが、ほとんどが水分なので安心してください。

体重が多少増えても無理なダイエットに走らず、軽めの運動やこれまで通りの食事に戻すなどして対処しましょう。

今回のまとめ

今回は、日本人女性に最も多い「隠れ肥満」の原因とその解決法についてお話ししました。

あなたの綺麗のためにも、未来のためにも、賢くダイエットしていきましょう。

体重よりも「体脂肪率」にご注目を!