最も優秀なトレーナーは、実は私たちのすぐそばにいます。

子供です。子供って公園でもスーパーでもフードコートでも、元気よく走り回りますよね。「疲れたから動きなくない」という子供をあまり見たことがありません。

ところが、大人になるにつれて運動が嫌いになっていく。よく考えてみると不思議です。僕はここに健康やダイエットの鍵があると考えています。

人間のデフォルト(初期設定)は、運動が好きなんです。その理由は先ほどもお伝えしたように、どこでも元気よく動き回るから。もちろん子供にも「疲れ」という概念はあるでしょうが、それはあくまで肉体的なもの。「面倒臭いから動きたくない」という子供はあまりいないと思うのです。男の子でも女の子でも、お母さんが困るくらい元気よく動き回りますよね。どこにそんな体力あるの?と思ってしまうほどです。

育てる側からすれば大変な苦労だと思いますが、彼らから学ぶことは多いと思うのです。僕はトレーナー目線で「あんなに楽しそうに動き回ってるのに、どうして大人になると動きたくなくなるんだろう」と純粋に思うのです。僕がよくランニングで利用する公園で、かけっこ教室的なものが開かれているのですが、3 ~ 4歳くらいの子たちでしょうか。全速力で走ったり、小さいハードルを飛んだり、キャッキャ言いながら楽しそうに運動しているんです。それを見て僕は心の中で拍手喝采。100点満点をあげたい気持ちになります。足が速かろうが遅かろうが、ずっとそのままの気持ちで大人になってほしいと思うのです。

そんな子供たちですが、いつから運動嫌いになってしまうのでしょうか。その一つが「体育の授業」でしょう。体育の授業は、基本的に、運動ができる子には「5」、そうでない子には「2」というように成績が与えられるシステムになります。運動が得意な子にとっては体育の授業は楽しみの一つでしょう。けれど、そうではない子にとっては苦痛以外のなにものでもありません。そうすると「自分は運動ができない」と思い込んでしまうのです。これが結構頑固なのです。大人になってもその時の記憶をずっと引きずってしまうのです。

月謝制の体操教室と違い、体育の授業は一人一人の生徒に時間をかけて指導することができません。なので、できる子とできない子の差を埋めるのは現実的に難しいと思うのです。それは、教師の責任でもなければ学校の責任でもない、そうした社会の仕組みが問題なので仕方がない部分もあります。僕からすると「これじゃ運動が嫌いになるのも無理ないよね」と思うんです。

僕のところに体験にお越しいただく方の中にも「昔から運動が苦手で」と仰る方が多いのです。もちろん何の問題もありませんし、そういう方のためにパーソナルトレーニングは存在しているからです。むしろ、自己流で続けて「やっぱ私は運動向いてないんだ」と自己完結してしまうパターンが一番良くないと思っています。「昔から苦手」の”昔”というのは、恐らく学生になってからのことでしょう。僕はそれよりももっと前、幼稚園児くらいの頃の記憶のほうが大切なのです。きっと記憶にはないでしょうが、少なくとも動くことが嫌いではなかったと思うんです。

「痩せたい」「健康になりたい」「綺麗な体型になりたい」という理由があって、パーソナルトレーニングに通う方がほとんどです。きっとあなたもそうでしょう。ただ、そのためには運動を続ける必要があり、その運動がストレスになってはなりません。人間、嫌なことや嫌いなことは絶対と言ってよいほど続きませんし、それは体にも心にも健康ではないからです。大切なのは「運動ってこんなに楽しいんだ」「私でも運動できるんだ」「これなら続けられそう!」というように、運動に対する認識を再学習していくことです。そうすれば、自分の意思とは関係なく、気づいた頃にはウエストはスッキリしているでしょうし、以前よりも体調も優れていることでしょう。

気持ちが変われば、体も変わる。