女性の体型の悩みで一番多いのが「脚痩せ」です。

下半身だけ太い、脚を細くしたい、綺麗にデニムを履きこなしたい。すべての女性の願いだと思います。

脚痩せに関しては専門家によって様々な意見がありますが、僕なりの考えをまとめてみました。

脚だけ痩せることはできるの?

脚痩せの方法について考える前に、まず「脚だけ痩せることはできるのか」について考える必要があります。

まず、結論から言いますと「脚だけ痩せることは難しい」ということです。これは脚だけに限った話ではなく、全身どこでも同じ。顔でも腕でもお腹でも、体のどこか一部だけ痩せることはできないのです。

もしそれが可能だとすれば、美容外科手術の脂肪吸引くらいです。物理的に脂肪を吸い取ることでしかその部分の脂肪を減らすことはできないと考えていいでしょう。

運動の専門家によっては「脚痩せはできる」と考える人もいるようですが、あくまでそれは、脚を細く見せる姿勢を身に付けたり、歩き方を改善することで筋肉を太くしないようにする工夫だったりします。

人は均一に太り、均一に痩せる。

では、なぜ部分痩せは難しいのでしょうか。

それは、人は均一に太り、均一に痩せるからです。よく「脚だけ太った」と言葉を耳にします。しかし、脚だけ太るということはないのです。本人の意識の中ではそう感じても「他の部分も同じ割合で太っている」のです。

特に脚というパーツは女性が気にしやすい部分ですし、本人がコンプレックスに感じているパーツほど敏感になりやすいといった理由もあります。

しかし、逆に言えば、痩せる時も均一に痩せるということでもあります。それなのに「脚だけ痩せない」と悩み人が多い人がいます。では、なぜそれに気づかないのでしょうか。

脂肪細胞の数は違うけど、大きさは同じ。

多かれ少なかれ、全身に脂肪細胞はあります。そして、脂肪細胞の大きさは同じなのです。腕や脚、お腹など、全身の脂肪細胞の大きさは同じです。

ですが、脂肪細胞の「数は違う」のです。ウエストと太ももで考えてみましょう。ウエストのほうが太いので脂肪細胞も大きいのでは?感じてしまいますが、サイズは同じなのです。その代わり、脂肪細胞の数はウエストのほうが多くなります。

例えば、100cmのウエストが90cmになるのと、50cmの太ももが45cmになるのでは、どちらが細くなったように見えるでしょうか。どちらも1/10のサイズダウンです。

恐らく、ウエストのほうが痩せたように見えるはずです。ウエストのほうが表面積が大きいために、同じ1/10のサイズダウンでも、細くなったように感じるのです。

これはウエストや脚に限った話ではありません。顔や手、足なども同じようにサイズダウンしているのですが、元々のパーツが小さい部分というのはその変化に気づきにくいのです。

もちろん、太ってしまった場合も同じです。ウエストや脚、お尻などの表面積が大きな部分は気付きやすいく、顔や手、足などは気づきにくいという特徴があります。でも、同じ割合で太っているのです。

変化の気付きには個人差がありますので、例えば、日頃から自分の顔に敏感な人は、少しの変化でも気付くことでしょう。

それでも脚だけ太く見えてしまう理由。

全身均一に太り、均一に痩せるということがわかりました。

ですが、それでも「脚だけ太い」と悩む女性は多いですよね。事実、そういう方はいます。あくまで僕の統計ではありますが、3つほど原因が考えられます。

上半身の筋肉が少ない

まず、上半身の筋肉が少ないこと、が考えられます。男性に比べると女性は上半身の筋肉が少ない傾向があります。

上の図は、一般的な女性の筋肉量の分布です。脚の筋肉量に比べて、体幹(胸や背中など)や腕の筋肉量が少ないことがわかります。

そうすると、仮に全身の体脂肪が均一であっても、上半身だけ細く見え、下半身が太く見えてしまうのです。個人の生活習慣や年齢にもよりますが、脚の筋肉というのは、日常生活でもある程度使われるので、上半身に比べると衰えにくいのでしょう。

こちらはお客様のInbodyの測定結果です。脚よりも、体幹や腕の筋肉が少ないのが顕著です。決して珍しいケースではなく、僕のところにお越しいただく8 ~ 9割のお客様がこのような結果になる傾向があります。

ですので、下半身に体脂肪が集中的に集まっているというよりは、上半身が細すぎるから下半身が太く見えてしまっている可能性が大きいのです。

脚の筋肉ばかり使っている

次に、脚の筋肉ばかり使っていることが考えられます。

その原因の一つが「姿勢不良」です。最も多いのが猫背でしょう。猫背になると脚が前に出た姿勢になりますので、このまま過ごしていると脚の筋肉ばかりを使うことになります。試しにわざと、脚を前に出して歩いてみてください。前ももが疲れてきませんか? つまり、姿勢が悪いと、脚の筋肉ばかりが発達し、脚が太くなりやすいのです。特に、歩くという動作は毎日のことですので、知らず知らずのうちに脚が太くなってしまっていることが考えられます。

そして、もう一つ深刻なのが、脚を細くするために脚のトレーニングばかりする傾向があることです。すでに脚の筋肉は多い傾向にあることが多いので、必要以上に鍛える必要はありません。筋肉は鍛えることで「太くなはるけれど、細くはならない」のです。「脚痩せ」と称して脚のトレーニングが紹介されていることがありますが、ここは誤解しないでいただきたいところです。

先ほどの内容とリンクしますが、体脂肪は均一に減るので、どこか一部分だけを細くすることはできないということ。脚を細くするつもりが脚ばかりを鍛えすぎることによって、上半身とのバランスが崩れ、かえって太く見えてしまうことがあるのです。

脚が浮腫んでいる

最後は、脚の浮腫みです。

浮腫みは、余分な水分や老廃物が蓄積している状態のこと。特に下半身は、重力の関係で水分や老廃物が集まりやすい傾向があります。

デスクワークや立ちっぱなしの仕事など、長時間同じ姿勢でいることが多い人は要注意です。血液やリンパの循環が悪くなっているがゆえに、体脂肪が蓄積しやすく、見た目的にも太くなってしまっていることが考えられます。

軽めのマッサージをする、一駅前から歩いて帰る、軽めのジョギングをするなど、少し脚を動かしてあげるだけでも、脚の筋肉のポンプ作用が働くことでスッキリします。

どうすれば「脚痩せ」できるの?

では、どうすれば脚痩せができるのでしょうか。

答えはシンプルで「痩せること」です。つまり、体脂肪を減らすしかないのです。痩せると言っても、単に食事制限をしたり、むやみに筋トレをすればいいというわけではありません。ポイントは次の通り。

・全身のトレーニングで基礎代謝を上げる
・上半身と下半身のバランスを考える
・姿勢を良くする
・軽めのウォーキング、ジョギングを取り入れる
・食事は摂取カロリーを越えなければ神経質になる必要はない

漠然としていますが、考え方としてはこんな感じです。

まず、運動習慣のない方がほとんどだと思いますので、基本的には全身のトレーニングをすることからはじめてください。上半身と下半身の筋肉量をできるだけ等しい状態にすることが目標です。ですので、上半身と下半身をバランス良く鍛えましょう。特に、下半身ばかりを鍛えないこと。どちらかと言うと、下半身は「筋肉をつける」というよりも「筋肉が落ちないようにする」くらいのイメージで問題ありません。ジムで特別なマシンを使ったりウエイトを使ったりする必要はなく、自分の体重を利用したスクワットくらいで充分です。

上半身に関しても「ゴツくなるのが嫌!」という女性がほとんどでしょう。もちろんです。先ほどのInbodyの結果のように、今マイナスの状態である可能性が高いので「ゼロに戻す」くらいの感覚で、ほどよく鍛えてください。下半身と同様に、ジムに行く必要はなく、自宅で簡単な自重エクササイズや軽めのダンベルで鍛えるだけで問題ありません。

また、トレーニングと同じくらい大切なのが、綺麗な姿勢を意識すること。「普段、姿勢をどれだけ意識していますか?」と尋ねると、姿勢が悪いのは自覚しているけれど、特に意識していないという方がほとんどです。難しいことは考えず、まずは「背筋をしっかり伸ばすこと」だけを意識して過ごすようにしてください。

そして、軽めの有酸素運動を生活に取り入れてください。筋トレだけでは消費カロリーはそこまで消費しませんので、脂肪燃焼効果は望めないからです。ウォーキングでもジョギングでも構いません。とにかく普段よりも「歩数」を増やすことが大切です。30 ~ 1時間くらいのウォーキングや軽めのランニングで構いません。週に〇回やる、といったルールは決めなくて良いので、あなたができる時にやりましょう。

最後に食事について。これが一番気になりますね。ですが、僕は一番気にしなくていい、と考えています。

というのも、せっかく運動をはじめたのに、食事によって一喜一憂している人が多いからです。「運動してるのに、結局食べちゃうから意味がない」と考える方が多いのですが、それはまったくのナンセンス。「運動してるから食事にも気を付けるんじゃないの?」という考えもわかりますが、まず、運動を始めただけでも立派な成長です。ゼロだったことがプラスになっているわけですから、以前よりも生活が改善していることは明らかです。

そこで焦っても仕方ありません。炭水化物だけ摂らない、脂質はカットする、今日からお酒は一滴も飲まないなど、そういうことは僕はおすすめしません。いつまでそうした生活を続けられるの?という話になるからです。

明らかに食べ過ぎている場合を除き、ストレスにならない範囲で食事を楽しむこと、これが一番大切だと考えています。

まとめ

今回は「脚痩せ」についてお話ししました。

脚を細くするのに大切なことは、方法よりも「考え方」だったり「日常の過ごし方」を見直すことだと僕は考えています。「脚痩せグッズ」や「脚痩せエクササイズ」なるものが溢れていますが、それは裏を返せば、成功できていないケースが多いから常に新しいものが出て、消えていくという循環を繰り返している証なのかとも思います。

惑わされることなく、コツコツ地道に頑張りましょう。